コーチングは現在ではビジネスシーンにとって必須とも言えるキーワードになっていますが、初めて使われたのは1800年代といわれています。
言葉の起源は「馬車」
コーチングの語源である「コーチ( Coach)」という言葉は英語で”馬車”を意味し、「目的の場所へ送り届ける」ということから自然に教師や指導者に対してコーチという名称が使われるようになったという説が有名です。
(余談ですが、アパレルブランドのCOACHのロゴは馬車ですね。)
コーチングの誕生
そこからコーチは職業や役割に対しての言葉として定着しましたが、1940年代に「コーチング」という技術としての言葉が生まれます。
これはハーバード大学ビジネススクールの教授であったマイルズ・L・メイス教授が自身の著書の中で「企業の成長に不可欠なマネージメントにおいて、その中心となるのは人間であり、コーチングの技術が非常に重要である」と記載したことがコーチングという概念の起点であったと言われています。
マイルズ・L・メイス教授は第二次世界大戦後に世界的に経済成長が高まっているさなかでおそらく世界で初めて起業家にとっての学習コースを設立し、その後何十年にわたって起業家にとっての基礎プログラムとして支持されてきました。
Myles Mace
Myles Mace, Expert on Entrepreneurship, Dies at 88 – Harvard Gazette
The Harvard Gazetteより引用
その後、メイス教授はリットンインダストリーズという会社の副社長としても腕をふるい、リットンの年間の売上は300万ドルから8000万ドルへと成長し、リットンはアメリカの歴史の中でも重要な起業の一つとなりました。(その後40億ドルまで成長)
研究もさることながら、実際のビジネスシーンでも実体験としてコーチングの重要性を説いたメイス教授の影響力は大きく、その後はビジネスシーンだけではなく、スポーツ業界や政界においても組織のリーダーがコーチング技術を学び、広がっていきました。
日本でも広がるコーチング
日本では昭和式の上意下達による組織が高度経済成長期を支えましたが、中国やインド、他の途上国の様に安価で大量の労働者の確保が難しくなり、自ら考え行動するビジネスパーソンの存在が重要になってきました。
そういった歴史的背景から、コーチングの技術は注目され、多くのリーダーが修めるべき必須スキルへとポジショニングしていったのです。