リンパマッサージの歴史

リンパマッサージの歴史

■リンパマッサージの歴史

リンパマッサージの元々の手法は、デンマーク出身のエミルボッダー博士と彼の妻により開発されました。ボッダーはX線や放射線などの物理医学の勉強を行なっていましたが、途中でマラリアにかかり学校を中断せざるをえませんでした。療養後の1933年、夫妻はフランスに渡り、引き続き勉学に勤しむ中、特に解剖学とリンパの勉学に時間を費やしていました。ある日、たまたま見つけた銅板に、現在のリンパマッサージの元となる方法がたくさん書かれているのを発見しました。その銅板は、ボッダーの時代よりもっと前の1800年代に、解剖学、そして特にリンパの仕組みについて大変熱心に研究をしたフランスの教授により書かれたものでした。ボッダーは元々、優れた直観力の持ち主で、その才能と、すでに会得していた技術、そして銅板に書かれていた手法とを組み合わせ、独自の全く新しい施術法を開発しました。ボッダーのマッサージは患者の体を押したり、円を描くように行われ、それでいてとても優しいわずかな圧力と共に施されました。

その後、彼らはその施術法を世界に紹介すると、ヨーロッパの他の国々の医師らも彼の手法に大変共感を受けました。1967年以降、ボッダーの手法を学べる学校が、日本を含む世界中のあらゆるところに、次々と建設されていきました。そういった流れから、リンパマッサージは日本を含む世界のあらゆる場所に普及されていきました。

【リンパマッサージの始まり】

リンパマッサージは単に心地の良いマッサージとしてではなく、元々は医療の場でリンパ浮腫の改善を測るために研究されていました。また、リンパの流れを良くすることにより、浮腫だけではなく、他の様々な不調が改善されたり、入院中により体を動かすことができなくなり、リンパの流れが滞っている患者のリンパの流れを良くすることにより健康を促進できることがわかり始め、この手法が開発されました。

【リンパマッサージとリンパドレナージュとの違い】

どちらも、リンパに働きかけるマッサージで、滞ったリンパの流れを良くする結果、毒素の排出(フランス語でドレナージュ)が促され、それにより健康促進をはかるマッサージの手法です。日本では、このドレナージュというフランス語に馴染みがなかったため、単にリンパマッサージといわれていることが多くなり、その結果、施術的にはほとんど変わらない場合が多いのが実情です。しかしながら、厳密にいえば、ドレナージュは圧をかけるマッサージというよりは、擦るような、とてもわずかな軽い圧力でリンパの流れの滞りを改善するもの。という施術者の方もおられます。施術者によりいわれ方、捉え方が同じだったり、違う場合があるのが現状となっています。

【資格の登場で人気に】

ストレスの多い現代の社会により癒しが求められ、マッサージを受ける需要が上がり、また自宅でも開業することも可能です。人を癒したり、人に喜ばれる、美容と健康の促進を提供できる資格として人気が出ています。

【リンパマッサージのメカニズム】

人間の体液の循環には、血液が通る血管と、リンパ液が流れるリンパ管が担っています。血液は心臓がポンプの役割となり、酸素や栄養を含んだ血液が動脈をながれ体全体に届けきます。老廃物を受け取った血液が静脈を通って心臓に戻ります。リンパ管は静脈に回収されなかったおよそ10%の老廃物を含む体液(リンパ液)が流れますが、リンパには心臓のような役割をするものがありません。その結果、流れが滞りやすく、その手助けをするのがリンパマッサージとなっています。