漢方アドバイザー資格取得講座

漢方と西洋医学の違い

「病気を治す」という目的は同じですが、治療方針が漢方医学と西洋医学では異なります。

◆西洋医学
西洋医学は分析的な治療といえる医学で、検査などにより病気の原因を探し、その原因を取り除く治療をします。西洋薬は、単一成分でできているため、単一の原因による病気などにピンポイントで作用することが特徴です。

◆漢方医学
漢方医学は、総合的なアプローチをとる治療法であり、東洋医学の一分野にあたります。病気を体内バランスの乱れとして捉え、生薬を組み合わせた処方により全身の調和を図って症状の改善をめざします。これらの処方は複数の成分から構成されており、さまざまな不調に同時に対応できることから、複雑な体調不良にも柔軟に対処できるのが特徴です。

漢方薬について

植物や鉱物などから作られる生薬を組み合わせて処方されるこれらの伝統薬は、複数の不調に同時に働きかけることができるため、全身に影響する病気や慢性の体調不良、女性特有の症状などにも幅広く対応できます。
慢性的な不調は、ひとつの異常が周囲に波及し、さまざまな部位に連鎖的な影響を及ぼすことが多く、こうした場合には治療にも時間を要します。東洋医学の考え方に基づく自然療法では、特定の部位だけでなく、全体のバランスを整えながら体の回復を図るため、長期的な体調管理に向いています。
また、西洋医学が明確な病名を前提として薬を選択するのに対し、こちらの療法では身体全体の状態を診ながら、病名が特定できないケースや診断のつかない不調にも対応できる点が特徴です。

五行理論とは

五行理論は、東洋医学における基本概念のひとつです。自然界における「木・火・土・金・水」という5つの要素が、相生（そうせい）・相剋（そうこく）の関係でバランスよく働くことで、自然の秩序や人の健康が保たれると考えられています。
この理論では、すべての物質や現象を五つの要素に分類し、身体の臓器や症状もこれに当てはめて診断や治療に活用します。生薬や自然療法による体質改善では、この考え方が欠かせない基礎となっています。