ピラティススペシャリスト資格取得講座

ピラティスの原則

呼吸
ピラティスにおいて呼吸は、身体全体を動かす「エンジン」のような役割を担い、基本原則の中心となる要素です。
普段は意識されにくい呼吸ですが、ピラティスでは呼吸をコントロールすることで、健康増進や身体機能の向上につながるとされています。正しい呼吸法を身につけることが、効果的なエクササイズの第一歩となります。

集中
ピラティスでは、一つひとつの動きを正確に行うことが重要であり、そのためには動作に集中する姿勢が求められます。
エクササイズの前には「どの部位をどう動かすか」を意識し、ボディ・アライメント（理想的な骨格の配置）を整えることを目的に、自分の動きと呼吸を一致させながら実践していきます。集中力をもって取り組むことが、ピラティスの効果を高める鍵となります。

ヨガとの違い

ピラティスとヨガは一見似ているようで、その目的や呼吸法に大きな違いがあります。

最大の違いは呼吸法にあります。
ピラティスでは胸式呼吸を用い、交感神経を刺激して身体を活性化させるのが特長です。これにより血行が促進され、新陳代謝が上がることで体型維持やインナーマッスルの強化、さらには病気・ケガの予防にもつながります。

一方、ヨガは腹式呼吸を中心とし、副交感神経を優位にしてリラックス効果を高めることを目的としています。心と身体の調和を重視し、ストレス軽減やうつ予防にも効果が期待されます。

また、ピラティスには「マシンピラティス」と呼ばれる器具を用いたトレーニングがあり、大型の機械で身体に負荷をかけながら動きをコントロールします。
対してヨガでは、マットを中心とし、補助的にブロックやボールなどの簡易グッズを使用する程度で、器具を使った負荷トレーニングは行いません。

ピラティスの歴史

ピラティスは、ドイツ出身のジョセフ・ピラティスによって考案されました。
彼は幼少期、喘息やリウマチ熱などの持病に悩まされ、病弱な体からくる歪みに苦しんでいたといわれています。病気に負けない身体を作るため、小学生のころから健康維持を目的とした体操を行い、身体を鍛えていきました。中学生になるころには筋肉がつき、美しい体型を手に入れたとされています。

成人後は、自己防衛術や身体操作の知識を深めていき、第一次世界大戦中には収容所の病院で負傷兵のリハビリを担当しました。ベッドのスプリングを使ったエクササイズや、患部に負担をかけずに行えるストレッチを考案したことで、怪我の回復を早める効果が注目されました。

これらの実践が、現在のピラティスメソッドの原型となり、「身体の回復と免疫力向上」に効果がある運動法として広まりました。